翻訳実績一覧
トップページに掲載しきれなかったものを含め、実績一覧を掲載しております。
新版ダークエルフ物語 アイスウィンド・サーガ1~3
The Icewind Dale Trilogy: The Crystal Shard
新版ダークエルフ物語 アイスウィンド・サーガ1~3
The Icewind Dale Trilogy: The Crystal Shard
TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(D&D)の世界の一つ、フォーゴトン・レルム。映画『アウトローの誇り』でも登場した北の果ての地、アイスウィンド・デイルを舞台にした三部作『アイスウィンド・サーガ』の一作目です。1988年に原書が刊行されたこの作品から、現在も続くThe Legend of Drizzt(ダークエルフ物語)シリーズが始まります。
日本語版は2004~05年に同じく風見潤様の新訳(『悪魔の水晶』『ドラゴンの宝』『水晶の戦争』の三分冊)が出ている本作を、新たに訳し直したのがこの「新版」です。前回は若い読者を想定した訳文でしたが、今回は前後の巻に合わせた大人向けの訳としました。原書も新しいものを使用しておりますので、旧訳をお持ちの方は比べてみると色々と違いが見つかるかと思います。
私が翻訳者を目指したきっかけの作品です。いずれシリーズの翻訳をしたいという夢はありましたが、まさかこの巻の新訳のお話が舞い込んでこようとは……。好きなもの、やりたい仕事のことは、気後れせずに口に出しておくべきですね。なお本書は電子版のみの刊行ですが、いつか未訳巻を紙で出すのに関われればと思っております。
シリーズの既刊全巻を並べた年表を作成中です:Drizzt Timeline
AFF:アリオン旅行記(クール大陸設定シナリオ集)
AFF: Travels in Arion
アリオン旅行記(クール大陸設定シナリオ集)
Advanced Fighting Fantasy: Travels in Arion
『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版』におけるクール大陸の都市アリオンと、その周辺地域のガイドブックです。
本書はゲーム用のデータをまとめたものではなく、旅人ダウリット(ポート・ブラックサンドのアズール卿に派遣された地図製作者)の手記という形を取った街の案内に、酒場・宿屋のレビュー、おもだった人物の紹介といったコラムを加えたもので、物語として読んで楽しめるつくりになっています。
アリオンはゲームブック『仮面の破壊者』、『Deathmoor』(未訳)などでも舞台となったファイティング・ファンタジー世界の街ではありますが、王が治め(現在は双子の王と女王の共同統治)、貴族が力を持ち、内外にさまざまな脅威を抱える街とその住人の描写は、あらゆる“中世ファンタジー”関連の創作の参考になりそうです。
シナリオ集『アトランティス・キャンペーン』(こあらだまり様訳)と2冊セットで販売されています。
原案:スティーブ・ジャクソン、イアン・リビングストン
著:グレアム・ボトリー
監修:安田均
2024年4月発売
SBN:978-4775321485
EXIT 脱出:ザ・ゲーム 中つ国を覆う影
EXiT: Shadows over Middle-earth
EXIT 脱出:ザ・ゲーム 中つ国を覆う影
EXiT: The Lord of the Rings - Shadows over Middle-earth
家で遊べる脱出ゲームシリーズ、本作のテーマは『指輪物語』(ロード・オブ・ザ・リング)です!
皆さんはホビット庄に暮らすホビットたち。魔法使いガンダルフから中つ国に危機が迫っていると知らされ、重大な使命を担うフロドたちを陰から支えていくことに……。ごく小さな箱に収まったゲームで、壮大な三部作の全編を駆け抜けられます。
難易度は「初級」ですので、EXITが初めての方もぜひお気軽に挑戦を。とはいえさまざまな内容物を思わぬ形で使う、EXITシリーズらしいあっと驚くような謎解きが楽しめます。
翻訳および謎の日本語化の提案を行っております。J・R・Rトールキンの作品は昔から愛読しておりますので、こうして『指輪物語』関連の作品に関わることができ嬉しい限りです。
作:インカ&マルクス・ブラント
監修=安田均
2024年3月発売
JANコード:4580552551039
王の冠(ファイティング・ファンタジー・コレクション)
Sorcery! The Crown of Kings (Fighting Fantasy)
王の冠(ファイティング・ファンタジー・コレクション)
Sorcery! The Crown of Kings (Fighting Fantasy)
故国アナランドの平和を守るため、“大魔王”に奪われた秘宝〈王の冠〉を取り戻そうとする“きみ”が主人公のゲームブック長編、『ソーサリー』四部作。原書は1983~85年に刊行され、日本では1980年代と2000年代にも翻訳されているこの大作の、3回目の邦訳に関わる機会をいただきました(旧訳邦題は『王たちの冠』[東京創元社]、『諸王の冠』[創土社])。
最終巻の『王の冠』では、“きみ”はいよいよ大魔王の砦があるマンパンに踏みこみます(四部作ではありますが、この巻からでも遊べます)。今回の翻訳は最後の戦闘の展開やエンディングが異なる新バージョンとなっているので、すでに何度もプレイ済みという方にもぜひ挑戦していただきたいです。
スティーブ・ジャクソン著
安田均監修
2024年2月発売
ISBN:978-4815619633
女王竜の暗き翼(D&D)
Shadow of the Dragon Queen(D&D)
ダンジョンズ&ドラゴンズ
ドラゴンランス:女王竜の暗き翼
Dragonlance: Shadow of the Dragon Queen
TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(D&D、ダンドラ)のアドベンチャー(シナリオ)ブック。小説『ドラゴンランス』シリーズの世界クリンを冒険するための資料(クリン独自の種族ケンダーや、ソラムニア騎士のキャラクターも作成できます)、および竜槍戦争の時代を舞台にしたアドベンチャーが掲載されています。アンサロン大陸の詳細なポスターマップが付属しクリンの世界に関する情報も満載で、D&Dにはまだ触れたことがないという小説ファンの方にも手に取っていただければ嬉しいです。
『レイストリン戦記』を翻訳したことが縁で、もっともよく遊んできたTRPGの翻訳に関わる機会をいただきました。
2023年12月発売
AFF:真・モンスター事典
AFF: Return to the Pit
真・モンスター事典―奈落に還れ―
(アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版)
Advanced Fighting Fantasy: Return to the Pit
『モンスター事典』『超・モンスター事典』に続き、『ファイティング・ファンタジー』シリーズに登場するモンスターの図鑑。これまでに出た各種サプリメントに掲載のモンスター1055体をまとめたリストも掲載された、分厚くずっしりと重たい1冊です。
未訳の作品に登場するモンスターも多く、各項目を読みこめば長年のファンの方でも目新しく興味深い情報に出会えるのではないでしょうか(そのぶん、翻訳のほうはなかなか大変でしたが……汗)。
モンスター項目の一部を翻訳しました。
アンドリュー・ライト編著
安田均監修
羽田紗久椰・こあらだまり訳
2023年11月発売
ISBN:978-4775321164
販売サイト: グループSNEショップ
アランシアの暗殺者(ファイティング・ファンタジー・コレクション)
Assassins of Allansia
アランシアの暗殺者(ファイティング・ファンタジー・コレクション)
Assassins of Allansia (Fighting Fantasy)
賭けのためにポート・ブラックサンド沖の危険な無人島へやってきた「きみ」。食料や水を集め、風雨をしのげる場所を見つけ、サバイバル生活が始まるかと思いきや、人間は自分ひとりしかいないはずの島に人の気配が……?
表紙にも描かれているあの人に目をつけられ、賞金首となってしまった「きみ」の前に、暗殺者が次々とたちはだかります。
本書はゲームブック5冊および安田均氏による解説本がセットになった『ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念~イアン・リビングストン編~「巨人の影」』(受注生産)のうちの1冊で、表題の『巨人の影』とともに今回が初邦訳です。
12月発売の『スティーブ・ジャクソン編』は2023年10月13日まで予約受付中ですので、確実に入手したい方はお忘れなく!
ドラゴンランス レイストリン戦記3・4 戦記の双子
The Raistlin Chronicles: Brothers in Arms
ドラゴンランス レイストリン戦記3・4 戦記の双子
The Raistlin Chronicles: Brothers in Arms
「ドラゴンランス」シリーズとは著者らがTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(D&D)を実際にプレイした体験に基づき、“クリン”という独自の世界を舞台に描かれる作品群です。1984~1985年刊の『Dragonlance Chronicles』(『ドラゴンランス(戦記)』)以降およそ200冊の関連作品が登場しており、2022年にも新たな三部作『Dragonlance Destinies』の第1巻が刊行されました。
そのなかで多くの読者にひときわ強い印象を残したであろうキャラクター、魔法使いレイストリンを主人公とする2部作(日本語版全4巻)が『レイストリン戦記』です。魔法の才能を秘めながらも病弱で、力を渇望する若者レイストリンは、『ドラゴンランス(戦記)』では双子の兄キャラモンをはじめとする旅の仲間たちとともに、世界を巻き込む大戦争において活躍を見せました。『レイストリン戦記』はその前日譚にあたり、レイストリンが試練を経て魔法使いとして成長していくさまが描かれます。シリーズのファンにとって興味深い内容であるのはもちろん、「ドラゴンランス」の小説を読んだことがなくとも楽しめる作品です。
1・2巻(『レイストリン戦記 魂の剣』)は安田均氏および石口聖子氏が翻訳、それを引き継ぐかたちで3・4巻の翻訳をお手伝いさせていただきました。
マーガレット・ワイス&ドン・ペリン著
安田均、羽田紗久椰訳
2022年12月発売
上巻ISBN:978-4041094860
下巻ISBN:978-4041094877
販売サイト: honto
小説ダークソウル 弁明の仮面劇
Dark Souls: Masque of Vindication
小説ダークソウル 弁明の仮面劇
Dark Souls: Masque of Vindication
日本発の人気RPG『ダークソウル』の世界観をもとに、アメリカの小説家マイケル・A・スタックポール(『スター・ウォーズ』のノベライズ作品や、TRPG『トンネル&トロールズ(T&T)』のシナリオなど)描くダークファンタジー。出版翻訳は刊行済みの原書の版権を出版社が取得後、翻訳・編集して出版……という流れが通常ですが、こちらは日米同時発売の企画です。
ゲームと同様、墓場のなかで目覚めた死者の主人公。自分の名が「フェーラノス」であり、どうやら魔法の使い手であるといった断片的な記憶だけを持ち、何かに導かれる感覚に従って進んでいきます。世界はなぜこうも変わり果ててしまったのか。フェーラノス自身は一体何者で、何故目覚めたのか。次第に謎が解き明かされていきます。
ゲームを知っている方はプレイ時の記憶が蘇るであろう場面が多々ある一方で、ゲームの内容をまったく知らない方でも冒険ファンタジーとして楽しんでいただける作品です。
マイケル・A・スタックポール 著
フロム・ソフトウェア 監修
安田均、羽田紗久椰 訳
末弥純 表紙絵
2022年10月発売
ISBN:978-4-04-074649-4
販売サイト: honto
ストーリードリブン脱出ゲーム 錬金の書
Escape Tales: Book of Rituals
ESCAPE TALES ストーリードリブン脱出ゲーム 錬金の書
Escape Tales: Book of Rituals
儀式書を模した装丁・構成のパズルブック。謎解きゲームシリーズ、『アウェイクニング』『ローメモリー』『ワームウッズの子どもたち』に続くエスケープ・テイルズシリーズ第4弾で、これまでの作品に登場した儀式の本がモデルです(シリーズ作品を未プレイでもまったく問題はありません!)。
小説のようなボリュームのストーリーが楽しめる過去作品に対し、今回は謎解きに重点が置かれています。薄めの書籍ながら歯ごたえたっぷりの謎が40題以上も掲載され、1人でも複数人でもじっくりと楽しめます。本作も答えの確認にはWebアプリを使用し、ヒントもいつでも確認できます。
全体の翻訳を担当しました。
ヤクブ・キャバン、バルトシュ・イジコフスキー著
安田均/グループSNE監修
羽田紗久椰訳
2022年10月発売
ISBN:978-4-7753-2019-8
販売サイト: honto
あなたも脱出できる 脱出ゲームのすべて
Planning Your Escape
あなたも脱出できる 脱出ゲームのすべて
Planning Your Escape: Strategy Secrets to Make You an Escape Room Superstar
脱出ゲームの歴史から遊び方まで、邦題のとおり、脱出ゲームというジャンルの「すべて」を網羅した一冊です。
著者L・E・ホール氏は謎解きや脱出ゲームの大ファンで、自ら脱出ゲームの製作もされています。本書ではまず、脱出ゲームの背景にある没入型・対面型の体験の歴史を幅広く解説(2022年1月刊行の『GMウォーロック Vol.4』には、日本で脱出ゲームを大きく広めたSCRAP様についても触れた章の訳文(翻訳途中のもの)が掲載されています)。つづく後半部では、制限時間のあるゲームにチームとして臨むうえで役立つアドバイスや、よくある謎の例、さらには脱出ゲームを自作してみよう方向けの案内までが紹介されます。
なお、『GMウォーロック Vol.5』には監修の安田様による紹介記事が掲載されており、グループSNE様のサイトでは目次を確認できますので、購入ご検討時にはご参照ください。
本書全体の下訳を務めました。
アドベンチャーゲーム:火山島
Adventure Games: The Volcanic Island
アドベンチャーゲーム:火山島
Adventure Games: The Volcanic Island
アイテムどうし、または、アイテムと場所の組み合わせによってストーリーが進む「アドベンチャーゲーム」シリーズ、第3弾の登場です。
今回のプレイヤーキャラクターは、とある火山島で同じセミナーに参加する大学生4人。教授の指示でフィールドワークに向かった4人は、思いもかけない大きな事件に巻き込まれていきます。4章構成ですが、最終章はプレイヤーの選択次第でまったく異なるストーリーに展開。同じくKOSMOS社の『EXIT』とは異なり、こちらのシリーズには1回遊んだら使えなくなってしまう内容物はありませんので、もう一方の選択肢も後ほど気軽に試せます。
同シリーズの『ザ・ダンジョン』『モノクロームInc.』とストーリーのつながりはありませんが、1、2作目を通過済みの方にはおやっと思う場面があるかもしれません。もちろん、「アドベンチャーゲーム」は今作が初めてという方も問題なく楽しめます! 物語のボリュームはこれまでで最大。箱もずっしりと重たいですが、いつでも気軽に一時中断・再開できますので、じっくりとプレイしていただければと思います。
ストーリー全体の翻訳を担当しました。
フィル・ウォーカー=ハーディング、マシュー・ダンスタン作
安田均監修
羽田紗久椰/グループSNE訳
2022年5月発売
販売サイト: グループSNEショップ
『GMウォーロック VOL.4』 記事掲載
『GMウォーロック VOL.4』 記事掲載
『GMウォーロック』誌に現在翻訳中の書籍『Planning Your Escape』(L. E. Hall著)の一部が掲載されました! 脱出ゲーム(escape room game)が登場するまでの歴史と、初心者にも経験者にも役立つ遊び方の紹介、自分で脱出ゲームをつくりたい方へのアドバイスと盛りだくさんな内容の書籍で、誌面では日本で「リアル脱出ゲーム」を企画・運営する株式会社SCRAP様についても触れられる章を取り上げています。訳書は2022年の夏に刊行予定です。
ちょうど雑誌の発売日と同じ1月21日に放送された番組「謎の日本人サトシ~世界が熱狂した人探しゲーム~」(NHK)に著者のラウラ・ホール氏が登場しています。番組では参加したオンラインと現実が交差するARG(代替現実ゲーム)『パープレックス・シティ』が取り上げられました。ゲーム自体は攻略され終了したものの、ホール氏らは残った難題(1枚の写真を手がかりに日本人男性らしき人物の正体を突き止めて連絡を取り、合言葉を聞くというもの)に取り組み続け、14年越しに謎を解決します。『Planning Your Escape』でもARGについてはごく簡単にながら紹介され、ゲームプレイを通じてできあがるコミュニティの大切さが述べられています
近日発売の『アドベンチャーゲーム』第3弾の情報も同誌でご覧ください。
EXIT 脱出:ザ・ゲーム
EXiT: The Game
EXIT 脱出:ザ・ゲーム 恐怖のローラーコースター/ミシシッピ川盗難事件
EXiT: THE HAUNTED ROLLER COASTER / THEFT ON THE MISSISSIPPI
本とカード、答えを入力する円盤「デコーダー」を使って楽しむ脱出ゲームの人気シリーズ。最新の2作を翻訳し、英語が関わる謎のローカライズ案を出しました。
『恐怖のローラーコースター』では、恐ろしくもどこかコミカルなお化けや怪物たちが続々と登場します。対象年齢10歳以上で、謎を解き進める順序に迷うことのない初級者向けの設計なので、『EXIT』を初めてプレイするという方やお子さんと一緒のプレイにもおすすめです。『ミシシッピ川盗難事件』ミステリー仕立てで少々上級者向け(対象年齢12歳以上)。プレイヤーは19世紀の蒸気船上での盗難事件に居合わせた捜査官として、容疑者である8人の乗客たちの要求に応えつつ、犯人特定を目指します。
このシリーズは謎解きのために内容物を切ったり変形させたりするのが特徴で、今回もあっと驚くような仕掛けが存分に楽しめます。
『GMウォーロック VOL.3』 記事掲載
『GMウォーロック VOL.3』 記事掲載
翻訳の仕事ではありませんが、グループSNE様の雑誌『GMウォーロック』用に見開き2ページぶんの記事を執筆しました。
来月、ドラゴンランスシリーズ『The Raistlin Chronicles: The Soulforge』(1998年刊行)の邦訳、『レイストリン戦記 魂の剣』が刊行されます。それに先立ち、『レイストリン戦記』と「ドラゴンランス」シリーズ全体について紹介しています。
『魂の剣』は『ドラゴンランス序曲』などを翻訳された石口聖子様とグループSNEの安田均様が翻訳、私は第2部『Brothers in Arms』の下訳を務めました。第2部の刊行については続報をお待ちください。
『GMウォーロック VOL.3』には『タイタン植物図鑑』の関連記事も多数掲載されており(シナリオとそのリプレイや、AFF以外のTRPGに活用するためのガイド等々)、私が翻訳をお手伝いした近刊のボードゲームについても紹介があります。
AFF:タイタン植物図鑑
AFF: The Titan Herbal
タイタン植物図鑑
(アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版)
Advanced Fighting Fantasy: The Titan Herbal
ゲームブックやRPGの作品群、ファイティング・ファンタジー・シリーズに登場する植物(草、花、樹木)や菌類(カビやキノコ)にフォーカスした図鑑です。
冒険に役立つ薬草や美味しい果実から、時には死をもたらす厄介な種まで、255項目のデータや購入価格が掲載されているほか、植物にまつわる追加ルールやサンプルキャラクターも紹介されます。今年刊行された『トロール牙峠戦争』で重要な役割を果たす薬草カネルウォートや、火吹山の名の由来となった「眠り草」といったファンの方にはおなじみであろう植物も、既刊では「キノコ」や「木の実」としか書かれておらず、本書で初めて名前が明らかになった植物も登場します。
ファンタジー世界の植物をここまで詳細に扱った資料というのはなかなか珍しいかと思いますので、ファイティング・ファンタジーになじみがない方でも、TRPGのシナリオ作りや、創作のインスピレーションを得られるのではないでしょうか。
なお、グループSNE様刊行の雑誌『GMウォーロック』のVol.1には本書関連のミニゲームが、Vol.2には紹介記事と植物採集をテーマにしたシナリオが掲載されているほか、Vol.3(2021年10月刊行)には本書を他のTRPGに応用するためのガイドが掲載予定です。植物名の対訳リストも公開されています。
植物・菌類の全項目について、翻訳をお手伝いしました。
アンドリュー・ライト、スティーブ・ジャクソン、イアン・リビングストン作
安田均監修
こあらだまり、羽田紗久椰訳
2021年9月発売
ISBN:978-4775319499
ストーリードリブン脱出ゲーム:ワームウッズの子供たち
Escape Tales: Children of Wyrmwoods
ストーリードリブン脱出ゲーム:ワームウッズの子供たち
Escape Tales: Children of Wyrmwoods
重厚なストーリーと謎解きが楽しめる「ストーリードリブン脱出ゲーム」シリーズ第3弾です。シリーズとはいえストーリーは完全に独立しているので、どこからでも遊べます(ただ、前作を遊んでいるとニヤリとする場面があるかも?)
物語が始まるのは、触れれば正気を失ってしまうツタがはびこる森に囲まれ、孤立した町。そこに暮らすギルバートは、町のある秘密を知ってしまい……。
パズルを解き、選択し、パラグラフを読み進めるスタイルは前作と共通ですが、今回にはプレイヤーの分身となる主人公「ギルバート」が登場し、展開によって《体力》《正気》などのステータスが変化していくことで、いっそう没入感のあるゲーム体験を得られます。Webアプリで読めるものを含め、エンディングの数はなんと60以上! 大ボリュームの作品ですが、途中でセーブして後日再開するのも簡単ですので、じっくりと楽しんでいただければと思います。
ストーリー全体を翻訳し、言語に依存する謎解きのローカライズ案を提出しました。
アドベンチャーゲーム:モノクロームInc.
Adventure Games:Monochrome Inc.
アドベンチャーゲーム:モノクロームInc.
Adventure Games: Monochrome Inc.
「アドベンチャーゲーム」シリーズ、昨年夏発売の『ザ・ダンジョン』に続く2作品目です。今回の舞台は、ファンタジー風の前作とはがらりと変わって近未来の製薬会社。プレイヤーの分身となるキャラクターたちは優秀な犯罪者集団で、ハッキングや金庫破りなど、それぞれに特技を持っています。依頼を受けて潜入した大手製薬会社「モノクローム社」で目にしたのは……?
アイテムどうしやアイテムと場所を組み合わせて、付属の冊子の文章を読んでいくスタイルは前作と同様ですが、本作ではゲームをよりスリリングにする「アラームレベル」のシステムが導入されています。下手を打てばペナルティを受けてしまいますのでご注意を!
ストーリーテキストの翻訳を担当いたしました。
ストーリードリブン脱出ゲーム:ローメモリー
Escape Tales: Low Memory
ストーリードリブン脱出ゲーム:ローメモリー
Escape Tales: Low Memory
歯ごたえのある謎を解きつつ、物語を楽しむ「ストーリードリブン脱出ゲーム」シリーズ。2020年1月発売の『アウェイクニング』に続く第2弾です。
舞台は西暦2060年。人間の記憶を再生する装置をめぐり、章ごとに異なる3人の主人公の物語が展開します。3つの視点で順にゲームを進めていくことで、出来事の全容が明らかになります。
あくまで主観ですが、謎の難易度は前作以上ではないでしょうか(謎の数も大幅に増えています!)。とはいえ、Webアプリで自由にヒントを確認でき、どうしてもと言うときは正解も見られますので、謎解きで行きづまってストーリーが楽しめないという心配はありません。
なお、シリーズ作品とはいえストーリー自体は本作だけで完結しますので、『ローメモリー』からでも問題なく遊べます。「チュートリアル」と称してゲームのシステムをひととおり体験できる短い章があり、初見でもすんなりと始められるはずです。
3章のうちの1つを翻訳いたしました。翻訳にあたりストーリーにはひととおり目を通しましたが、他章の謎はまだ見ていないので、挑戦するのが楽しみです!
J・キャバン、B・イジコフスキー作
安田均監修
ゼサン、笠竜海、羽田紗久椰訳
2020年8月発売
販売サイト: グループSNEショップ ヨドバシ
アドベンチャーゲーム:ザ・ダンジョン
Adventure Games: The Dungeon
アドベンチャーゲーム:ザ・ダンジョン
Adventure Games: The Dungeon
ストーリーを楽しみながら謎を解き、よりよいエンディングを目指すボードゲームです。
地下牢(ダンジョン)で目を覚ましたあなたは、過去の記憶をなくしていました。自分はいったい何者で、なぜここにいるのか……。牢を脱出し、記憶を取り戻さなければなりません。
進めかたは簡単。ゲーム中に手に入れたアイテム同士や、アイテムと場所(錠前や棚、壁の怪しいところ等々)を組み合わせると固有の番号が得られるので、付属の冊子(アドベンチャーブック)で結果を確認します。組み合わせは何度でも試せますが、アイテムが壊れたり、キャラクターが怪我をしたりと、悪い展開もありえるのでご注意を。
各プレイヤーがキャラクターを受け持って動かせるのも本作の特徴で、ただパズルを解くよりも物語に入りこんで楽しめるかと思います。選べるキャラクターは4人。有利不利はありませんが、場面によっては行動するキャラクター次第で結果がほんの少し変わることも……? グループSNE様の紹介記事で遊び方がわかりやすく解説されています。
ストーリーテキストの一部と、ゲームのインストラクション部分の翻訳を担当しました。
AFF:超・モンスター事典
AFF: Beyond the Pit
超・モンスター事典―奈落の彼方に―
(アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版)
Advanced Fighting Fantasy: Beyond the Pit
ゲームブックやRPGの作品群「ファイティング・ファンタジー」「アドバンスト・ファイティング・ファンタジー」シリーズの背景世界、タイタンに暮らすモンスター約270種を詳説する一冊です。
ゲームに必要な数値的データはもちろん、ゲームブックに掲載されていたのと同じイラストが添えられ、モンスターの生態や特徴に関する情報もたっぷりご紹介。未邦訳のゲームブックに登場するモンスターも数多く挙げられています。既存の作品を遊ばれた方々が楽しめるのはもちろん、TRPGの自作シナリオに登場させることもできるでしょう(グループSNE様刊の『ウォーロック・マガジン』にも、実際に本書を使用したリプレイが掲載されています)。
偶然にも、『七匹の大蛇』など数冊が自宅にあり(夫の蔵書です――刊行時、わたしはまだ生まれていません……!)、そこに登場するモンスターもいくつか、担当箇所に含まれていました。駆け出しの翻訳者であるにもかかわらず、夫を含め、長年のファンも多い作品に関われたことを幸運に思います。
50項目あまりの翻訳を担当させていただきました。
スティーブ・ジャクソン&イアン・リビングストン作
アンドリュー・ワイト編著
安田均・こあらだまり訳(わたしの名前はあとがきに掲載していただいています)
2020年5月発売
ISBN:978-4883754007